どうも!oagariです!
今回は2002年発売のPing i3 +のストーリー風レビュー!
オールドクラブが織りなす様々なストーリーをお楽しみください!
古いクラブだってたくさんの魅力をもっているんだ!
最新クラブもビンテージクラブも同じゴルフクラブ。
最新クラブの情報は世界に溢れているから、このブログでは古いクラブの魅力だってたくさん紹介していくよ!
ヒエラルキーのない優しい世界。
ゴルフの楽しみ方は色々だよね…
i3 +とアーリーバード
地方都市のさらに郊外、若年層がターゲットの軽やかな印象のショッピングモールの一角に、妙にその場にそぐわないリサイクルショップ。
その店内にひっそりと置かれていたpingの古びたアイアンセットが、新しもの好きで更にミーハーな僕のスタンドバッグに収まっているのだから、ゴルフクラブというものは本当に訳がわからなくて面白い。
僕は、三密を避けるのを言い訳に、毎週水曜日に早朝ゴルフを楽しんでいるのだけど、今日だって例外じゃあない。
3時に起きて4時からプレーし、これからあまり得意ではないinの16番に向かうところ。
inの16番は、山岳コースだからかなりの打ち下ろしで、グリーンセンターまで186ヤードのパー3。
カートに乗らず、クラブを担いで回るアメリカンスタイルだから、急勾配の山道を歩き続けた終盤はさすがに疲労困憊。
どうしても踏ん張りがきかず,そういうときは右へのプッシュアウトが目立つんだけど、バッグの中の6本のping i3+は90g台のカーボンシャフトだからいつもより軽くって、バッグを担ぐのが明らかに楽。
いつもより軽いバッグが、もう少しだけナイスショットのイメージを後押ししてくれるから勇気も沸いてくるんだ。
今回の主役i3+だよ。
5,000円でひっそりと陳列してたんだって。
流通量の少ないカーボンシャフト装着のレアスペックだね。
グリップがムジークのドライコンパウンド。
2002年製の古いモデルだけど、きっと大事に使われていたんだね。
186ヤード 打ち下ろし 5番アイアン
ヤマバトの鳴き声が止まない。その間抜けなリズムが妙に可笑しくて思わず表情が崩れるけど、鼻から深く吸い込んだ朝の空気を胸いっぱいに、僕は16番のティーイングエリアにたどり着いた。
打ち下ろしの186ヤードだから、平地では170ヤード飛んでくれる5番アイアンで丁度良いはず。
簡単な計算を済ませ、紺のオークリーのスタンドバッグからi3+の5番をするりと取り出した。
バックフェイスのモノクロの色使いはi3+の存在感を際立たせる。
ステンレススチールはpingi3+の未だ色褪せない設計思想を錆び付かせないためのメタファーかなと思ったが、実在するのだからそれは違うな。
僕はポケットから30mmのティーを手にとり、いつも通りのルーチンでアドレスに入る。
ヤマバトの愉快なリズムはもう聞こえない。
ほど良い緊張感の中、視界に写るi3+の華奢なトップブレードと、相反する逞しいグースネックが全身の筋肉の連動と共に、オートマティックに動き出した。
2020年のスイングと2002年のオールドアイアン
90gのカーボンシャフトは穏やかにゆっくりとしなり続ける。
i3+はダウンスイングの加速の中で、ウレタンカバーの3層構造のボールをしっかりと捉えた。
20年前から存在するi3+と、2020年のモダンスイングは意外なほど相性がよく、まるで右バッターの胸元へ食い込むような鋭いフェードボールが左目の視界の外に写った。
あっさりと最低限の仕事だけを終えた90gのカーボンシャフトはゆっくりと僕をフィニッシュへ導く。
掌にはオールドアイアン特有の、ステンレススチールがボールを潰した固く薄めの感触。
朝靄で見えないが、ウレタンカバーのボールはきっとグリーンを捉えただろう。
それもかなりゴールに近い距離で。
踏みしめた左足から、全身の緊張がほどけていく。スタンドバッグのコブラF9とi3+。
i3+の鈍色はきっとこれからも色褪せないだろうな。
僕はオークリーのスタンドバッグを担いで、意気揚々にグリーンへと向かった。
i25との簡単な比較
2014年発売のi25アイアンとi3+アイアンの画像だよ。
どっちがi3かわかるかな?
アイアンの形状自体はほとんど変わっていないね。
打感向上とか低重心とか様々な新機軸は採用されているようだけど…
ぼくは両方とも大好き!
新しいから優れているってわけじゃなくて、それもあるかもしれないけど、道具を大事に古いものだって愛着をかけてゴルフをするのはとっても楽しいことだって、どんどん伝えていきたいんだ!
きっといろいろなクラブにまつわるストーリーがあるんだろうね。
ぜひコメント欄に大事なストーリーを寄せてみてね!
最後に。クラブ目線のストーリーだよ。
僕はi3+。2002年生まれ。きっと同世代の仲間たちは数えるほどしかいないんだろうな。
僕が生まれたころは、pingのカーステン博士がちょっと暴走気味で、ちょっとだけpingは不安定な時期だったんだ。でも僕は優等生だったから、みんな喜んでくれたんだ。
僕のオーナーはね、毎年マスターズの優勝者と同じアイアンを新調するのが恒例だったんだけど、ぼくのことはけして手放さないひとだったんだ。
でもね、うん。
まあぼくはいろいろあってきみのもとへたどり着いたわけだけど、君のスイングは結構好きだよ。
フェードっていうか、ぼくは最近のクラブほど鈍感じゃないからたまにスライスしちゃうけど。
今回の物語にあるシーンだけど、ぼくはちょっとうれしかったよ。
またゴルフ場でプレーできるなんて、やっぱりうれしいもんだね。
最新のクラブのように、打感だって寛容性だってやっぱりかなわない点もあるけど、でもまあ君が僕をみつけてくれたからやっぱり頑張ろうとおもうんだ。
これからもよろしくね。
だって。
道具だってやっぱり大事にされたいと思うから、そんな気持ちでプレーするとなんだか優しい気持ちになれるんだ。
ゴルフって面白いね!
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