PING i210ってどんなアイアン?データから読み解く新旧アイアンの進化について

クラブレビュー

こんにちは、oagariです!

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最新クラブだけじゃなくかなーりむかしのクラブまで幅広く試打レビューをしたりしています。練習のアイデアや、クラブ購入の参考になれば幸いです!

ぼくはテスター・しろくまくんだよ。ドライバーの飛距離は250ヤードくらいだよ。たまーにスライスしちゃうんだ。

今回はピンの大人気アイアン、i210のレビュー!

こんにちは。どんぐりも好きだけどゴルフも大好きおあがりはかせだよ。

2020年時点の現行モデルであるi210と、2001年発売のテーラーメイド300forgedのデータを比較して、この20年のアイアンの進化と失ったものを考えてみたよ。

ping i210のモデル概要

こんにちは。クラブマニアのパンダ先生だよ。

ツアーで12勝した前作i200の後継モデルが、今回紹介するi210だよ。

前作のネガ要素である、打感の向上を実現すべくフェース背面のCTPと呼ばれるパーツを30パーセント大きくし、また、内部に挿入されているウェイトを柔らかい材質のものに変更。

その結果、打感はまるでバターのようとの評価を得るに至っているよ。

(バターのような打感ってなんだろね。美味しそうだね。)

また、フェースのたわみも前作より大きくなり、初速も上がってよく飛ぶみたい

i210はシャープな見た目と柔らかい打感、そしてミスヒットへの強さとアイアンに求められる要素を高い次元で実現した凄いアイアンなんだ。

実際どうなんだろ。テスター・しろくまくんが検証してみたよ。

20年前のモデルと比較しました

最近oagariがすごーく気に入ったアイアンがありまして。

すごーく古いアイアン、一部マニアにはいまだに人気みたいなんだけど(ほんとかな?)、世間では骨董品扱いされているモデル。

テーラーメイドの300forgedです。

当時のフラッグシップモデルであり、しかも三浦技研のOEMですので、仕上げはかなり綺麗ですし、なにより構えてみるとわかりますが、すごく良い顔。

構えると、自分が打ちたい方向へピタッと向いてくれます。

今回はこの300フォージドとi210を各番手5球ずつ打ち、フライトスコープMEVOでデータを取得しました。

i210、300フォージドデータ

PING i210 番手別 5球平均
キャリー ヘッドスピード 初速 ミート率 スピン 打ち出し 高さft
PW 110 30.64 36.74 1.202 8687 29.5 70.2
9i 122.84 32.62 39.68 1.218 7009 25.34 67.8
8i 137.7 34 43.46 1.282 6683 20.88 65.8
7i 141.6 33.76 43.9 1.298 5604 21.68 69.4
6i 150.06 34.72 45.8 1.322 5086.2 19.96 68
 練習球を使用してフライトスコープMEVOで計測
300forged 番手別 5球平均
キャリー ヘッドスピード 初速 ミート率 スピン 打ち出し 高さft
PW 108.32 31.54 36.38 1.154 8490.6 28.68 66
9i 118.98 33.76 38.9 1.15 7505.4 26.82 69.4
8i 129.86 34.9 41.24 1.18 6578.2 24.06 69.2
7i 137.92 36.54 43.3 1.186 8043.4 23.48 76.8
6i 145.08 36.34 44.56 1.226 5380.4 21.78 72
 練習球を使用してフライトスコープMEVOで計測

打ってみました。疲れたよ。

i210のデータだけど、すごくきれいな数値なんだ

飛距離、スピンは番手が上がるごとに綺麗な階段になっているし、ミート率も300フォージドに比べると高い数値。

実際の弾道も、高さと方向性に安定感があったよね。

後ろで見てても、弾道にバラつきがなくて同じ方向、高さにショットが揃っていたよ。

納得の数値だね。

うむ。

300フォージドはテストに疲れてきた7番アイアンあたりで、右にプッシュするボールが出て来たけど、i210はミスしても(とりあえず)まっすぐ飛んでいくんだ。

でもね、実際安定感も高さも飛距離もスピン量もi210の方がデータでみると優れているんだけど、ショットに対してユーザーの気持ちを反映しやすいのは300フォージドかな?

うむ?

ユーザーのきもち?

そ。ユーザーの気持ち、感性のこと。言い換えると、どっちのアイアンがショットのコントロールしやすいかってことなんだけど、この点優れているなあって強く感じたのが300フォージドなんだ。

i210は、自分がイメージした弾道よりも、実際のボールの方が速く高く飛んでいくんだ。

ショットの瞬間、視界の淵で捉えるボールがイメージと違くって、だからピッチングで80ヤードとか9番で100ヤードとか、ショートアイアンの縦距離の打ち分けがちょっと難しく感じたんだ。

なるほどなるほど。i210の初速の速さが少しネガティブな印象につながっているのかな。

でもね、ロングアイアンなんかすごく優しいしボールも高いし、弾道が綺麗に揃うから、本当に良いアイアンだなって思いました。

i210も300フォージドも綺麗な顔だから、打ちたい方向にピタッと向いてくれるよ。

感性重視ならオールドアイアンにも一日の長があるけど、やっぱり安定感はi210 だね。

うむ。

それじゃあ、いつものお山のコースでラウンドしてみよう。

うむー。(ベストスコアがでちゃうかな?)

コースでやさしいi210,ロングアイアンはやさしいよ

ドライバーでナイスショット!

フェアウェイちょい右で残り90ヤード。すこーし打ち上げだからPWで飛距離を少し抑えて打つよ!

練習場では打ち分けが300フォージドに比べるとむつかしく感じたけど、コースではどうかな?

(あまり良いイメージがわかないんだ…)あっ。

 

ぐすん。ちょっとあつく入っちゃった。(要はダフリ)

届いているかな?ボールは高くてダフッた割にはきれいに飛んでいたけど。どうだろ?

届いてました。スピンもしっかり効いていたみたい

i210、多少のダフリなら縦の距離のロスは最小限だしスピンもしっかり効いてくれるよ!

大したもんなんだ。すごいアイアン。さすがだね。

次は残り150ヤード。これまたすこーし打ち上げ。i210の6番アイアンでグリーンを狙うよ!バシュン!

これは簡単。しっかりグリーンを捉えました

ライが良ければi210のロングアイアンはほんとに優しくて、結果をだしてくれるアイアン!

やさしさは名器G25アイアンと比べても遜色ないよ

ソールも厚すぎないしトップブレードも薄くて、顔にこだわる上級者でも構えずらいってことは無いと思うよ。

スピンもしっかり効いてくれてます。ボールも高いし嬉しいもんだね。

20年でアイアンはどこが進化したのかな?

2001年リリースの名器300フォージドと、ピンの現行モデルi210。

進化のポイントについて言及するとしたら、①初速の速さ、②各番手のスピン量の平準化、③スピン量の平準化によるボールの高さの3つだと思います。

この3つのポイントは実際のコースで使用すると、どの番手でもミスに強く、高いボールが安定して打てるというやさしさに変換されます

もっというと、スピン量の平準化はボールの飛びすぎも防いでくれるので(トップ、ダフリでもスピン量の変化が少ない)、結果グリーンを捉える確率が向上します。

このように20年のときを経て現れたi210は、ギターでたとえるならめちゃくちゃコンプの効いたディストーションの音色。

タッチが弱くても、少しくらいミスっても出てくる音色が同じです。

でもこれって言い換えれば微細なタッチが表現しづらいってことで、ディストーションの効いた最新の音よりも、ふるーいヴィンテージの枯れた音にも良さはあって、300フォージドに感じたのは、まさにこのヴィンテージ感でした。

20年の間の進化で手にしたのは、スピン量の平準化による安定感。そして失ったものはプレイヤーの感性を表現する余白ではないでしょうか。

これは進化を止めたマッスルバックがいまだに現存する理由にも当てはまると思います。

でもゴルフはミスを減らすスポーツですので、ミスの多いアマチュアがやっぱりコースで信頼できるのは、多少のミスをカバーしてくれて、それでいてユーザーの感性も表現してくれる構えやすさも備えたi210。完成度の高いアイアンでした。

※打感の良さは300フォージドの圧勝!300フォージドに比べるとi210はまるで中空アイアンのようなわざとらしさが感じられました。

i210は2020年時点で、最高のアイアンのうちの一つといっても良いと思います。次のモデルは一体どのような進化を遂げるんだろ。いまから楽しみ!

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